Classici giapponesi con furigana
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きゅうぶんにほんばし
旧聞日本橋
長谷川 時雨
Leggi 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) di 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 158.045 caratteri · 322 schermate
くせ人の好い笑顔をむけたりするのだった。
この教室の窓の格子のところへ、夏になるとお弁当をみんなが並べておいた。運動場へは台所口から出るのだった。台所には、みんなが持ってきてある小さい土瓶が、せとものやのように幾段にも釘にかけてずらりと並んでいた。お午になると御新造さんが、番茶を酌み入れてくれるのをみんながとりにゆくのだった。
ところがこの二、三日、午飯時になると、きっと誰かしらのお弁当が紛失っている。今日も眼玉の廂とあだなされている、あたしの妹の分がなくなった。
年子のようなあたしの妹は、一年ばかり間をおいて学校へ上った。色の白い涼しい眼の子だが出額なので前髪を深くきってさげていたので、眼玉の廂といわれていた。男の子なんぞに負けないので憎まれっ子でもあった。
お附きの女中のついてくる、八畳の間の方のお嬢さんは、下駄箱も特別なら、課業も午前ぎりでお迎えがくるので、お前もまだ年がゆかないから午前だけにしろと祖母にいわれたのにきかないで、お弁当にしてもらったばかりの、初の日に奪られたのだった。
おまっちゃんは糸で編んだ網に入れてある、薄い硝子の金魚入れから水が洩って廻るように、丸い大きな眼に涙を一ぱい溜て堪えていた。