Classici giapponesi con furigana
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わせだだいがく
早稲田大学
尾崎 士郎
Leggi 早稲田大学 (わせだだいがく) di 尾崎 士郎 (おざきしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 112.204 caratteri · 220 schermate
寄宿舎にかえると、西方はすぐ自分の部屋へ入って荷物の整理をはじめた。暑中休暇で寄宿生の大半は郷里へ帰っていたので、残っている学生は彼のほかに二、三人しかいなかった。賄方も昨日かぎりでいなくなった。寄宿舎は事務員二人を留守番に残し今日いっぱいで閉鎖することになっている。西方が、その夏の帰郷を中止したのは、あたらしく売文社内に設けられた講習会の聴講生になるためだったが、彼はその数日前に下戸塚の、戸山ヶ原にちかい街はずれに素人下宿の二階を借りて、そこへ移ることにきめていた。荷物といっても蒲団と本箱と机があるだけである。本は大部分質屋に入っているし、人力一台あればいつでも運んでゆくことができる。西方は事務員にたのんで、荷物を玄関まで運びだした。俥賃を倹約するために事務員と二人で、下戸塚の下宿へ荷物をかつぎこみ、そのまま、もう一度寄宿舎へひっかえしてくると、門の前にある、がらんとした大弓場から青木公平が出てきた。
彼は西方の顔を見るが早いか、ふところの中から一枚の夕刊新聞をとりだした。
「おい、見たかい、――ロシヤでは、とうとうはじまったぞ」。
門の前に太い榎の老木が二本ならんでいる。