Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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めいあんよめもんどう

明暗嫁問答

山本 周五郎

Leggi 明暗嫁問答 (めいあんよめもんどう) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 20.984 caratteri · 43 schermate

Aozora Bunko

ような者ではございません。この半年あまり私がよく見て来ているのです。そう怒らずにどうかひき取ってやって下さい。……もう少しかげんして走りましょうか」

老人はなにも云わずしゃにむに駈けた、築山のまわりを三遍ばかり追いまわしたが、息が苦しくなり眼がくらんできた、そしてやがて芝生の上へぺたりと坐ってしまった。

「ああ危ない」直二郎は駈け戻って来て老人の肩を押えた、「どうなさいました、どこかおけがでもございますか」

「う、うるさい、寄るな」

「冷でも持ってまいりましょうか」

「なにが冷だ、それより直二郎」勘太夫は肩で息をしながら云った、「きさま今日までずいぶんわしの胆を苛らして来た、そしてこんどは十万石の国老たる者に芸妓をひき取れという、芸妓を、それほどきさまにはこのおれが飴ん棒にみえるのか、直二郎、いったいこんどはどんなことを持ち出す気だ」

「実はそのことでございます」

「なにを」老人は冷っとしたらしい「そ、そのこととはなんだ、まだなにかあるのか」

「ご存じのように、私はこんど殿のお供で江戸へまいります、一年在府するわけでございますが、そのあいだお笛をお預け申します、身近にお使い下さいまして、性質をよくごらんのうえ……」