Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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めいじかいか あんごとりもの

明治開化 安吾捕物

坂口 安吾

Leggi 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 42.950 caratteri · 85 schermate

Aozora Bunko

「それはどのような意味なの? そのワケを教えて下さい。お兄さま。何か御心配がおありではございませんか。克子がお役に立ちますなら、どのようなことも云いつけていただきとうございます」

「まア、まて。いそいでも、なかなか分るものではない。オレにもオレのことすらも分らない時がある。信じられない時がある。三位一体という言葉があるが、あの本当のワケはどうやら分りかけたのかも知れぬ。人間は三人ずつ一組の人間らしい。一人の人間が三ツの顔と体をもっているらしい」

ああ、兄上はやっぱり狂ってらッしゃるのか。イヤ、イヤ。私がそう信じては最後ではないか。何か意味がある。それを判ってあげなければならないのが私の役目ではないか。克子は必死に悲しさをこらえた。

宗久のウワ言のような言葉はつづいた。

「しかし、オレは一人しかない。そして、克子も一人しかいない。この部屋には、オレが一人、お前が一人しかいない。そして、一人しかいない人間は正しく、信じるに足る」

「人間は誰でも一人ずつですわ」

「そうではないよ。心のネジくれた人間は、心は一ツだが、顔も体も別々にいくつもあるものだ。ちょうど虫のようなものだ。