Classici giapponesi con furigana
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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
Leggi 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 26.713 caratteri · 54 schermate
十五分すぎた。ナミ子は柱時計を見ていたのだ。やがて二人はそろって病室から退出した。ヤレヤレ、これで用がすんだと、大伍が出てきてドアを閉じたと思うと病室のオルゴールが鳴った。「来い」という合図のオルゴールだ。大伍はとって返したが、一分もかからぬうちに戻ってきた。
「さて、用がすんだ。ナミはお連れした道を通って、伊助さんをお送りしてあげるがよい。庭木戸から出て塀に沿うて門まで、アベコベに一通りやりなさい。来るが如くに去る。去るところを知らずかね。伊助さん。ゴキゲンよう」
伊助は無言で頭を一つペコンと下げただけだ。重い荷を背負って歩きだした。まったく来た時も去る時も、伊助は同じであった。重い顔、無言、そしてテクテク歩いてる。
「織物を買っていただいたんですか」
思いついたことを訊いてみると、
「そうだ」
と答えただけだった。彼の方から一度こう訊いた。
「旦那の病気は何だね。ウミの匂いがプンプンする」
「オヘソのあたりや腰や股に銅貨ほどもある孔がいくつもあいて、絶え間なしにウミがにじみでているんですッて。ウミの匂いが強くなると香水をまくんだけど、今日は香水をまいてないのね」