Classici giapponesi con furigana
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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
Leggi 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 30.755 caratteri · 62 schermate
「脅迫原料の手紙の束は、あなたが兄さんから預って御自分のタンスに保管していたのでしょうね」
「よくお分りね。そして兄さんが必要のとき一通ずつ渡してました。ですが、私自身はそんなミミッチイ稼ぎに興味なかったのよ」
「それはお察しいたしております。手紙の束をごらんになった最後の日はいつ頃でしたか」
「つまり私が兄さんに頼まれて一通渡してあげた最後の日ね。それは紛失を発見した十日か半月も前かしら」
新十郎は政子の次に小沼男爵にも会った。御子息の行方不明は御心配のことですねとお見舞いを申上げると、
「ナニ、オレは心配していないね。いつから姿が見えなくなったか、そんなことも思い当るフシがなく、また気にかけたこともないぜ。政子の奴が今度に限って変に気を廻しているだけだ。もっともアイツにしたところで兄の姿が何月何日から見えなくなったなんて心当りが皆目ないのはオレ同様だ。オレのウチでは自分のほかの人間の動勢や運命を考えないのが常態だな」
「すると、どなたが失踪の日を覚えていたのですか」
「女中の奴さ。周信め、小娘をあやつる名人だから、女中めが惚れてるせいだよ」
明快な論断である。