Classici giapponesi con furigana
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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
Leggi 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 27.839 caratteri · 55 schermate
牛が狂って全速で走るとゴムマリがはずみながらころがるように、背をまるくして小山のように大きくはずみながらポンポンとマッシグラにとび去るものだ。人里へ現れ、おどろいて怖れ隠れる人々に目もくれず下曾我までとんできた。とまったところはナガレ目のウチの牛小屋である。そこがその牛の小屋であった。ナガレ目の飼い牛ベンケイであった。
ベンケイの角と顔が血で真ッ赤だから大問題になった。里へとびだしてから自分の牛小屋へつくまで人やケダモノに怪我をさせていないから、血を浴びたのは山の奥だ。ナガレ目の姿が見えないから、牛に殺されているのかも知れない。飼い牛に殺されることは田舎に時々あることだ。ナガレ目はアダ名のように子供の時から目がただれてヤニがたまって流れているように見える。実に汚らしくて、子供の時から、人々にイヤがられ、あざけられて育った。そのためにヒネクレて、人にも無愛想であるし、おそらく牛にもジャケンであろう。そこで村人はナガレ目が自分の牛に殺されたものと結論して、大勢の者を呼びあつめて、ベンケイのでてきたあとを逆に山中へたどって行った。ところが誰も通わぬ筈のヒノキの谷の方向に踏みならされた自然の小道があって、ヒノキの谷までつづいており、そこに一人の屍体を発見した。