Classici giapponesi con furigana
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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
Leggi 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 23.645 caratteri · 47 schermate
舞踏場内では、人々は壁際へあつまり、真ん中はひろびろとして、その一角の床上に、雲助姿の加納五兵衛がうっぷして死んでいる。彼の肩をはずれた山カゴが、彼の死体の一部であるかのように、横にころがっていた。
新十郎は死体をしらべた。五兵衛の脾腹に突きささっている一本の小柄。手裏剣に用いるものだ。刃の根元まで突きこんでいるが出血は少い。
虎之介は小柄の方角を目で追って、
「捩じまがって倒れたのでないとすると、ちょうど楽隊席の方角だなア」
「なんの方角だえ?」
と花廼屋が虎之介の心眼に挑戦するが、虎之介はこんな小者は歯牙にもかけない様子。
「犯人が手裏剣をうった方角だ。田舎通人には分るまいが、犯人は人々の注意がお梨江嬢に向けられている瞬間をとらえて、手裏剣をうちおったのさ。だから総監も犯人の姿を見ておられん。総監が気づいた時には、被害者は脾腹をおさえて、前へ泳いでいたのさ」
花廼屋はうれしそうに笑った。
「お主、剣術使いだが、真剣勝負をしらないなア。幕府には新撰組という人殺しの組合があったが、お主はそれほどの人物ではなかったようだ」
「真剣勝負とは、何のことだ」
「手裏剣が柄の根元までブスリ突き刺すものか、ということさ。