Classici giapponesi con furigana
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ほしあかり
星あかり
泉 鏡花
Leggi 星あかり (ほしあかり) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 4178 caratteri · 9 schermate
その寂寞を破る、跫音が高いので、夜更に里人の懐疑を受けはしないかという懸念から、誰も咎めはせぬのに、抜足、差足、音は立てまいと思うほど、なお下駄の響が胸を打って、耳を貫く。
何か、自分は世の中の一切のものに、現在、恁く、悄然、夜露で重ッくるしい、白地の浴衣の、しおたれた、細い姿で、首を垂れて、唯一人、由井ヶ浜へ通ずる砂道を辿ることを、見られてはならぬ、知られてはならぬ、気取られてはならぬというような思であるのに、まあ! 廂も、屋根も、居酒屋の軒にかかった杉の葉も、百姓屋の土間に据えてある粉挽臼も、皆目を以て、じろじろ睨めるようで、身の置処ないまでに、右から、左から、路をせばめられて、しめつけられて、小さく、堅くなつて、おどおどして、その癖、駆け出そうとする勇気はなく、凡そ人間の歩行に、ありッたけの遅さで、汗になりながら、人家のある処をすり抜けて、ようよう石地蔵の立つ処。
ほッと息をすると、びょうびょうと、頻に犬の吠えるのが聞えた。
一つでない、二つでもない。三頭も四頭も一斉に吠え立てるのは、丁ど前途の浜際に、また人家が七八軒、浴場、荒物屋など一廓になって居るそのあたり。