Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

ほしじょろう

星女郎

泉 鏡花

Leggi 星女郎 (ほしじょろう) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 52.344 caratteri · 104 schermate

Aozora Bunko

……

(鬼でござる。)

と夢中で喚いて、どうやら無事に、猿ヶ馬場は抜けました。で、後はこの坂一なだれ、転げるように駆下りたでございます。――

処で、先刻の不調法、」

と息を吐き、

「何とも、恥を申さぬと理が聞えませぬ、仔細はこうでござります――が、さて同一人間……も変なれども、この際……とでも申すかな、その貴辺を前に置いて、今お話をしまする段になるというと、いや、我ながらあんまりな慌て方、此方こそ異形を扮装をしましたけれども、彼方は何にせよ女体でござる。風説の通り、あの峠茶屋の買主の、どこのか好事な御令嬢が住居いたさるるでも理は聞える。よしや事あるにもせい、いざと云う時に遁出しましても可さそうなものじゃったに……

……と申すがやはり、貴辺にお目に掛りましてからの分別で。ぱっと美しいもので目が眩みました途端には、ただ我を忘れて、

(鬼じゃ。)

と拳を握りました。

これだけでは、よう御合点はなりますまいで、私のその驚き方と申すものは、変った処に艶麗な女中の姿とだけではござらぬ。日の蔭りました、倶利伽羅峠の猿ヶ馬場で、山気の凝って鼠色の靄のかかりました一軒家、廂合から白昼、時ならぬ月が出たのに仰天した、と、まず御推量が願いたい――いくらか、その心持が……お分りになりましょうかな。