Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ほしじょろう

星女郎

泉 鏡花

Leggi 星女郎 (ほしじょろう) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 52.344 caratteri · 104 schermate

Aozora Bunko

(今に月が出ますと、ちっとは眺望になりますよ。)

と声を掛けます。はて違うぞ、と上から覗くように振向く。下に居て、そこへ、茶盆を直した処、俯向いた襟足が、すっきりと、髪の濃いのに、青貝摺の櫛が晃めく、鬢も撫つけたらしいが、まだ、はらはらする、帯はお太鼓にきちんと極まった、小取廻しの姿の好さ。よろけ縞の明石を透いて、肩から背がふっくりと白かった――若い方の婦人なんです。

お馴染の貴婦人だとばかり、不意を喰って、

(いらっしゃい。)

と調子を外ずして、馬鹿な言を、と思ったが、仕方なしに笑いました。で、照隠しに勢よく煙草盆の前へ坐る……

(お邪魔に出ましてございます。)

莞爾して顔を上げた、そのぱっちりしたのをやや細く、瞼をほんのりさして、片手ついたなりに顔を上げた美しさには、何にもかも忘れました。

(とんでもない。)

と突のめるように巻煙草を火入に入れたが、トッチていて吸いつきますまい。

(お火が消えましたかしら。)

とちょっと翳した、火入れは欠けて燻ぶったのに、自然木を抉抜の煙草盆。なかんずく灰吹の目覚しさは、……およそ六貫目掛の筍ほどあって、縁の刻々になった代物、先代の茶店が戸棚の隅に置忘れたものらしい。