Classici giapponesi con furigana
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はる
春
岡本 かの子
Leggi 春 (はる) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 23.864 caratteri · 48 schermate
昨夜私変な夢を見たわ。私の体のまわりに紫色の花が一ぱい咲いてるの。其処へ猫が来て片っぱしから花を舐めたの。花がみんなはげて古ぼけちゃったわ。私変な夢よく見るの。自分の歯がみんな星になったまま、口ん中で光ったりする夢など。ああ空には飛行機が飛んで居るのに、私は小さい馬車に乗って凶作地へ行きたい。直ぐ向うの凶作地にあなたが働いて居るように思えるの。
加奈子が私に瓦斯ストーヴを焚いて呉れたの。紫のような火がぼやぼや一日燃えてるの。私、一日だまって火を見てたら、火の舌に地獄だの極楽だの代り代りに出ちゃ消えるの。地獄のなかにはキューピー見たいな鬼が沢山居たわ。その周りに私をお嫁に貰って置きながら、すっぽかした男がうようよ居たわ。極楽って処、案外つまらないのね。のっぺらぼーの仏様が一つせっせと地面掘ってんのよ。でもそのあとが好いの。金と銀との噴水が噴き出してさ。おしまいに飛び出したの何だと思って? 秀雄さんあんたなのよ。初め加藤清正見たいだったのよ。あとでクレオパトラに逢いに行くアントニオになったの。それからナポレオンになり、芥川龍之介になり……ああ面倒くさい。