Classici giapponesi con furigana
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はるさきのこぶつてん
春さきの古物店
小川 未明
Leggi 春さきの古物店 (はるさきのこぶつてん) di 小川 未明 (おがわみめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 3911 caratteri · 8 schermate
また、これから世の中へ出て、どんなおもしろいめをしないともかぎりますまいに……。」と、机はよく、乳母車に向かっていったことがあります。
すると、青いペンキのところどころはげ落ちた乳母車は、急に、元気づいた調子になって、
「ほんとうに考えればそうなんですよ。けれど、こうして、じっとしていますと、つい気がめいりまして、しかたがないもんですから……。」と、乳母車は答えました。
「ああ、もうじき春がくるよ。そうすれば、おれたちは、きっとおもしろいことがあるだろう。そう長いことでもあるまい……。」と、張り板が、身柄相応な大きな声を出して、口をいれました。
今日も、乳母車は、日のあたたかそうにあたって、黄色なほこりが、人間の歩くげたのさきから、また荷車のわだちの後から起こるのを見ていましたが、いつしか、いつものごとく訴えるような調子で、
「わたしにも、おもしろいことも、おかしいことも、ありましたっけ。あれはどこだったろう。いい音楽の聞こえてくる坂道を、赤ん坊をのせて登ると、そこには桜の木が幾本もあって、みごとに花が咲いていました。吹いてくる風は、なんともいえず気持ちがよかったし、いつまでもその木の下で遊んでいました。