Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はるのかれは

春の枯葉

太宰 治

Leggi 春の枯葉 (はるのかれは) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 23.648 caratteri · 48 schermate

Aozora Bunko

大理想も大思潮も、タカが知れてる。そんな時代になったんですよ。僕は、いまでは、エゴイストです。いつのまにやら、そうなって来ました。菊代の事は、菊代自身が処理するでしょう。僕たち二十代の者は、或る点では、あなたたちよりもずっと大人かも知れません。自己に就いての空想は、少しも持っていません。

(節子)(しずかに)それは、どんな意味ですの?

(奥田) 妹は妹、僕は僕、という事です。いや、人は人、僕は僕、と言ってもいいかも知れない。おくさん、あんまり他人の事は気にしないほうがいいですよ。

(節子) でも、菊代さんは、わたくしどもをいじめます。野中をそそのかして、わたくしどもの家庭を、……。

(奥田)(笑って)引越しますよ、すぐに。

(節子)(にくしみを含めて)たすかりますわ。

歌声すこしずつ近くなる。

風吹く。枯葉舞う。

(奥田) 寒くなりましたね。(寝ている野中のほうを顎でしゃくって)どうしますか? ずいぶん今夜は飲んだからなあ。

(節子) 悪いお酒じゃないんですか? 頭が痛い痛いと言っていましたけど。

(奥田) だいじょうぶでしょう。あれと同じ酒を、漁師たちが朝から飲んでいて、それでなんとも無いようですから。