Classici giapponesi con furigana
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はるのとうぞく
春の盗賊
Leggi 春の盗賊 (はるのとうぞく) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 29.212 caratteri · 58 schermate
げんに私が、その大泥靴の夢を見ながら、誰も私に警報して呉れぬものだから、どうにも、なんだか気にかかりながら、その夢の真意を解くことが出来ず愚図愚図まごついているうちに、とうとうどろぼうに見舞われてしまったではないか。まだ、ある。なんとも意味のわからぬ、ばかげた言葉が、理由もなくひょいと口をついて出たときには、注意しなければいけない。必ず、ちかいうちにどろぼうが見舞う。私の場合、「やって来たのは、ガスコン兵。」という、なんとも意味の知れない、不思議すぎて、ばからしい言葉が、全く思いがけず、ひょいと口をついて出たのである。それも、一度や、二度では無い。むやみ矢鱈に、場所をはばからず、ひょいひょいと発するのである。「やって来たのは、ガスコン兵。」ちっとも、なんとも、面白くない言葉である。どういう意味であるか、自分で考えてみても判明しない。私は、そのときも不安であった。いま考えてみると、たしかに胸騒ぎがしていた。虫の知らせ、というやつであろう。けれども、まさか、これが、どろぼう入来の前兆であるとは気がつかなかった。私はこれを、自身のありあまる教養の故であろうと、お恥かしい、そう思っていたのである。