Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はるのとうぞく

春の盗賊

太宰 治

Leggi 春の盗賊 (はるのとうぞく) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 29.212 caratteri · 58 schermate

Aozora Bunko

訴え出ないで、だまっていることは、これは、法律に依って罰せられる罪悪かも知れない。けれども、どうにも、気が重い。私は口が下手だから、そんないかめしい役所へ出て、きっと、へどもどまごついて、とんちんかんのことばかり口走り、意味なく叱責されるであろう。そうして、私には何となく、挙動不審の影があらわれて、あらぬ疑いさえ被り、とんでもない大難が、この身にふりかかるかもわからない。きっと、そうだ。私は、何かにつけて、めぐり合せの悪い子なのだ。運のわるい男なのだ。私には、とても、警察にとどける勇気が無い。私は、このどろぼうの襲撃を、あくまで、深夜の客人が、つまらぬところから不意に入来した、という形にして置きたかった。そうして置けば、私は、それを警察にとどけなくても、すむのである。私は、あくまで、かれを客人のあつかいにしてやろうと思った。そんな深慮遠謀もあり、私は、ことさらに猫なで声でどろぼうを招じ入れ、そうして、かれがはいるなり、電燈をぱちんと消してしまった。他日、このどろぼうが、何か罪悪を重ねて、そのとき捕えられ、私の家を襲撃したことをも白状して、警察は、その白状にもとづいて、はじめて私に問い合せに来ても、そのときは、私は頭を掻き掻き、さあ、何せまっくらで、それに夢見ごこちで、記憶が全く朦朧としている始末で、どうも