Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 201.612 caratteri · 405 schermate
」
「そこで、張子の虎の方はどうなんです」と、わたしは訊いた。
「お駒の枕元に置いてあった張子の虎、これも松蔵になにか縁があるんじゃないかと、子分の多吉に云いつけて奉行所の申渡書を調べさせると、石原の松蔵は天保元年の庚寅年の生まれということが判りました。寅年の男と、張子の虎、これもなるほど縁がある。こうなると松蔵になにか引っかかりのある奴がお駒を殺して、松蔵の位牌代りに張子の虎を置いて行ったのじゃないかと鑑定されます。この二つの証拠が揃ったので、もっぱら松蔵にかかり合いのある奴を探索にかかりましたが、下手人はどうも外から入り込んだ形跡がない。その晩の客か、家内の者か、その判断がよほどむずかしいのですが、お定という下新造がお駒と特別に仲良くしていたというのが却って疑いのかかる本で、もう一つには、松蔵が処刑になった後から伊勢屋に住み込んだものはお定一人しかないというのが手がかりで、だんだんその身分を洗いあげているうちに、前にお話し申したような順序で、とうとう本人を引き挙げてしまったんです。伊勢屋の仏壇にしまって置いた張子の虎は、やはりお定が盗み出したもので、ほとぼりのさめた頃にそっと松蔵の墓に埋めて来る積りであったそうです。