Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 201.612 caratteri · 405 schermate
などと口走るので、家内の者も心配しているとのことであった。その時代では大金という十両の見舞金を貰って、療治がよく行き届いたせいか、勘蔵の腕の痛みどころもだんだんに快くなるという噂を聞いて、半七も蔭ながら喜んでいた。
そのうちに今年の春もあわただしく過ぎて、初鰹を売る四月になった。その月の晴れた日に勘蔵が新らしい袷を着て、干菓子の折を持って、神田三河町の半七の家へ先ごろの礼を云いに来た。
「どうだね、もうすっかりいいかえ」と、半七は訊いた。
「ありがとうございます。お庇さまで、もうすっかりと癒りました。その節はいろいろ御心配をかけまして恐れ入りました。おかみさんもくれぐれも宜しく申してくれと云って居りました」
「なにしろ、早く癒ってよかった」と、半七も嬉しそうに云った。「時に備前屋の娘はどうしたね。その後病み付いているとかいう噂だが……」
「そうでございます。一時は何だかぶらぶらしていて、ときどきに熊が出るとか云って騒ぐので、親たちも困っていたそうでございます。備前屋は店の大きい割合に奥が狭いので、もう一度、橋場の離れ座敷を借りて、そこでゆっくり養生させようかなどと云っていたそうですが、この頃は大分いいとか云いますから、どうなりますか」