Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 201.612 caratteri · 405 schermate
巧みに出来ているのは、蛙の口から可なりに高く噴きあげるので、子供たちはみな喜んでこの水出しをもてあそんだのである。その水出しが奉行所の白洲へ持ち出されて厳重な吟味の種になろうとは何人も思い設けぬことであった。
紙屑屋の夫婦は先ずその水出しの出所を糺された。その玩具はどこで買ったかという訊問に対して、亭主の五兵衛は恐る恐る申し立てた。
「実はこの水出しは買いましたのではございません。よそから貰いましたのでございます」
「どこで貰った。正直に云え」と、吟味方の与力はかさねて訊いた。
「芝、露月町の山城屋から貰いました」
山城屋というのは其処でも有名の刀屋である。先月の末に、五兵衛がいつもの通り商売に出て、山城屋の裏口へゆくと、かねて顔を識っている女中が紙屑を売ってくれた末に、おまえの家の子供にこれを持って行ってやらないかと云って、かの蛙の水出しをくれた。五兵衛はよろこんで貰って帰って、それを自分の子供の玩具にさせると、二日ばかりで其の子は急病で死んだ。それが更に大工の子供の手に渡って、その子はその日におなじく急病で死んだのであった。
それらの事情が判明して、引合いの者一同はひと先ず自宅へ戻された。