Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 201.612 caratteri · 405 schermate
と、幸次郎も笑った。
この頃、顔やからだを真っ黒に塗って、なまの胡瓜をかじりながら、「わたしゃ葛西の源兵衛堀、かっぱの伜でござります」と、唄ってくる一種の乞食があった。したがって河童といえば生の胡瓜を食うもの、河童の棲家といえば源兵衛堀にあるというように、一般の人から冗談半分に伝えられて、中にはほんとうにそれを信じている者もあったらしい。半七は笑いながら又訊いた。
「ゆうべの奴は匕首のようなものを出したと云ったな」
「そうです。なんでも光るものを船頭の眼のさきへ突き付けたそうですよ」
「いよいよ変な奴だな。そんな奴を打っちゃって置くと、世間の為にならねえ。しまいには何を仕出来すか知れねえ。おれもよく考えて置こう。おめえも気をつけてくれ」
幸次郎を帰したあとで、半七はいろいろに考えた。幸次郎の報告で、ゆうべの出来事も大抵は判っているものの、念のためにもう一度、その船頭の千八に逢ってくわしい話を聴いたらば、又なにかの手がかりを探り出すことがないとも限らない。半七は起って窓をあけると、一旦晴れそうになった今朝の空もまた薄暗く陰って来た。
「しようがねえな」
舌打ちしながら半七は神田の家を出ると、横町の角でわかい男に逢った。