Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 215.865 caratteri · 432 schermate
これも寝酒を買いに出た高巌寺の銀蔵は、途中でその噂を聞いて急に薄気味悪くなって、どうしようかと路ばたに突っ立って思案していると、不意にその肩を叩く者があった。ぎょっとして透かしてみると、頬かむりをした長次郎が暗い蔭に忍んでいた。
「おお、親分。お聞きでしたか、小女郎がまた何か悪さをしたそうで……」
「そんな話だ」と、長次郎はうなずいた。「ときにお前に無心がある。今夜はお前のところへ一と晩泊めてくれねえか」
耳に口を寄せてささやくと、銀蔵も幾たびかうなずいた。
「わかりました、判りました。さあ、すぐにお出でなせえ」
「お前、どっかへ行くんじゃあねえか」
「寝酒を一合買いに行こうと思ったんだが、まあ止しだ」
「酒はおれが買う。遠慮なく行って来ねえ」
「だが、まあ止そうよ」
「じいさんも狐が怖いか」と、長次郎は笑った。
「あんまり心持がよくねえ。おまけに今夜は闇だから」
銀蔵は長次郎と一緒に引っ返した。庫裏に隣った彼の狭い部屋に案内されて、長次郎は炉の前でしばらく世間話などをしていたが、やがて四ツ(午後十時)に近いころに、彼は再び手拭に顔をつつんで暗い墓場の奥へ忍んで行った。