Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 215.865 caratteri · 432 schermate
それでも二人は毎晩根よく網を張っていると、十一月の晦日の宵である。まだ五ツ(午後八時)を過ぎたばかりの頃に、低い土塀を乗り越して一つの黒い影のあらわれたのを、半七は星明かりで確かに見つけた。仙吉は相変らず鼻唄を歌って通った。黒い影は塀のきわに身をよせてじっと窺っているらしかったが、忽ちひらりと飛びかかって仙吉の襟髪をつかんだ。覚悟はしていながらも余り器用に投げられたので、仙吉は意気地なくそこへへたばってしまった。それでも物に馴れているので、かれは倒れながら相手の足を取った。
それを見て半七もすぐに駈け寄ったが、もう遅かった。黒い影は仙吉を蹴放して、もとの塀のなかへ飛鳥のように飛び込んでしまった。
「畜生。ひどい目に逢わせやがった」と、仙吉は泥をはらいながら起きた。「だが、親分。もう判りました。あんないたずらをする奴は寺の坊主に相違ありませんよ。わっしのそばへ寄って来たときに、急に線香の匂いがしました」
「おれもそうらしいと思った。今夜は先ずこれでいい」
相手が出家である以上、町方でむやみに手をつけるわけにも行かないので、半七はそれを町奉行所へ報告すると、町奉行所から更にそれを寺社奉行に通達した。