Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 215.865 caratteri · 432 schermate
娘と駈け落ちした奴は良次郎といって、宿は浅草の今戸だそうです。年は二十二で小面ののっぺりした野郎で、後家さんのお気に入りだったそうです」
「で、どこへ行ったか、まったく判らねえのか」
「判らねえそうです。無論に浅草の宿にはいねえんですが、どこへ行っていますか」
「おきわには弟妹があるのか」
「ありません。一人娘だそうです」
「そうか」
少し見当がはずれたので、半七は床の上で首をかしげていたが、そのほかにも松吉が調べて来た三島の一家の事情をそれからそれへと詮議して、半七はなにか思い当ることがあったらしい。にやにや笑いながらうなずいた。
「よし、もうそれで大抵わかった」
「ようがすかえ、それだけで」
「もういい、あとは俺が自分でやる」
あくる朝早く起きると、ゆうべ汗を取ったせいか半七の頭も余ほど軽くなった。陰ってはいるが、きょうは雨やみになっているので、半七はあさ飯の箸を措くとすぐに町内の生薬屋へ行った。女中のお徳をよび出して、妹の手紙をとどけて来たという男の人相や年頃を詳しく訊いて、その足で更に今戸の裏長屋をたずねた。この頃の長霖雨で気味の悪いようにじめじめしている狭い露路の奥へはいって、良次郎の家というのを探しあてると、二畳と六畳とふた間の家に五十近い女と、十四五の小娘とが向いあって、なにか他人仕事でもしているらしかっ