Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 215.865 caratteri · 432 schermate
「いいえ、お前さん。そんなどころじゃないんですとさ」と、お仙も顔をしかめながら云った。「姉さんが今、番屋に止められたと云って、なあちゃんが泣き込んで来たんです。どうしたんでしょうねえ」
「ねえさんが番屋へあげられた」と、半七も団扇の手をやすめた。「なにかお客の引き合いじゃあねえか」
「じゃあ、親分さんはまだ御存じないんですか」と、お浪は眼を拭きながら云った。
「なんにも知らねえ。おめえの家に何かあったのかえ」
「お父っさんがけさ殺されたんですよ」
お浪の話によると、けさの六ツ(午前六時)前にお照の家の戸を軽くたたく者があった。朝寝坊の芸妓家では、台所に近い三畳で女中のお滝がようよう蚊帳をはずしているところであった。戸をたたく音を聞きつけて、お滝はすぐに入口へ出て行こうとすると、茶の間の六畳に寝ていたお照の父の新兵衛が蚊帳の中からあわてて呼び止めて、出てはいけない、明けてはいけないと、小声で叱るように云った。叱られてお滝も少しためらっていると、やがて表を叩く音は止んだ。と思うと、今度は裏口の方から跳り込んで来たものがあった。お滝が起きると、すぐに水口の戸を一枚あけて置いたので、得体のわからない闖入者は薄暗がりの家の奥へまっしぐらに飛び込んで、新兵衛の蚊帳のなかへ鼠のようにくぐって這入った。