Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 215.865 caratteri · 432 schermate
と、辰蔵は着物の襟を掻き合わせながら云った。
「なんの、遠慮があるものか。貴様が横着の嘘つき野郎ということは不動様も御存じで、近所隣りでもみんな知っているんだ。それが口惜しければ銭を出せ」
「だから、少し待てと云うのだ」と、辰蔵はそらうそぶいていた。「多寡が盆の上の貸し借りだ。まさかに名主や代官所へ持ち出すわけにもいくめえ。いくら騒いだって始まらねえ理窟だ。まあ、おとなしくあしたまで待つがいい。きょう中にはきっと金のはいるあてがあるんだから」
「その嘘はもう聞き飽きた。貴様のような奴に一杯食わされて、べんべんと待っている俺じゃねえだ。さあ、すぐに出せ。これだけの家台骨を張っていて、一貫と二百ばかりの銭がねえとは云わせねえぞ」
馬子は辰蔵の胸ぐらを引っ掴んで小突きまわすと、辰蔵も半纒をぬいで起ち上がった。そばに十四五の少女がぼんやり突っ立っているが、相手の権幕が激しいので取り鎮めるすべもないらしい。老母らしい女のすがたは見えなかった。
二人の問答によって想像すると、馬子は博奕の貸しを催促に来たらしい。この行きがかりではどうでも一と騒動なくては納まるまいと、半七は黙って表から覗いていると、果たして二人の拳固が入り乱れて打ち合いをはじめた。