Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 215.865 caratteri · 432 schermate
文字春は待ち兼ねていたように、すぐに長火鉢のまえを起って出た。
「さきほどは失礼。きたないところですが、どうぞこちらへ……」
「じゃあ、ちっと邪魔をするぜ」
若い岡っ引が草履をぬいで内へあがると、文字春は小女に耳打ちをして、近所の仕出し屋へ走らせた。
「ところで、師匠。早速だが、少しおめえに訊きてえことがある。あの津の国屋の娘はおめえの弟子だというじゃあねえか。師匠も津の国屋へときどき出這入りすることもあるんだろう」
「はあ。時々には……」と、文字春はうなずいた。「ですから、きょうも後にちょいと顔出しをしようと思っているんです」
「ところで、素人っぽいことを訊くようだが、今度の一件についてなんにも心当りはねえかね。おいらの考えじゃあ、おかみさんと番頭の心中はどうも呑み込めねえ。あれには何か込み入ったわけがあるだろうと思うんだが……。おいらは前から知っているが、あの金兵衛という番頭は白鼠で、そんな不埒を働く人間じゃあねえ。ましておかみさんとは母子ほども年が違っている。たとい一緒に死んだとしても、心中じゃあねえ。何かほかに仔細があるに相違ねえ。今の処じゃあ年の若けえ娘と奉公人ばかりで、何を調べても一向に手応えがねえので困っているんだが、師匠、決しておめえに迷惑はかけねえ。