Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 215.865 caratteri · 432 schermate
それがあまりにしつこいのと猥りがましいのとで、帳場にいた金兵衛が聞き兼ねて、大きい声で長太郎を叱り付けた。叱られた長太郎はすごすご起って行ったが、その時に彼は怖い眼をして金兵衛をじろりと睨んだ。その鋭い眼つきが今でも自分の眼に残っていると勇吉は云った。
併しそれだけのことでは表向きの証拠にならないので、勇吉は口惜しいのを我慢していると、今夜の事件が測らずも出来した。憎らしい長太郎が主人の娘を脅迫して、どこへか連れて行こうとするのである。今年十六の勇吉はもう堪忍ができなくなって、いっそ彼を殺してお雪を救おうと、咄嗟のあいだに思案を決めたのであった。
「よし、よし、よく申し立てた」と、常吉は満足したようにうなずいた。「傷養生をして後日の御沙汰を待っていろ。かならず短気を出しちゃあならねえぞ。金兵衛の仇はまだほかにも大勢ある。それは俺がみんな仇討ちをしてやるから、おとなしく待っていろ」
「ありがとうございます」と、勇吉は再び眼を拭いた。
勇吉をいたわって、あとから津の国屋へ送ってやるようにと町役人に云いつけておいて、常吉はすぐに津の国屋へ引っ返して行こうとして、文字春の家の前を通りかかると、家の中では何かけたたましい女の叫び声がきこえた。