Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 215.865 caratteri · 432 schermate
かならず何かの前兆があると善昌は云った。その警告におびえている彼等の眼のまえに、不思議の蝶合戦が起ったのである。気の早い者はあわてて弁天堂へかけ着けると、仏前の燈明はすべて消えていた。幾匹かの白い蝶がどこからか飛んで来て、燈明の火を片端から消してしまったのであると、善昌は不思議そうに話した。
二
蝶の最も出盛ったのは、朝の四ツ時(午前十時)頃から昼の八ツ時(午後二時)頃までで、八ツを過ぎるころから無数の蝶の群れもだんだんに崩れ出して、鐘撞堂のゆう七ツ(午後四時)がきこえる頃には、消えるように何処へか散り失せてしまった。水に落ちたものは流れもあえずに、夏の日の暮れ果てるまで竪川を白く埋めて、涼みがてらの見物を騒がせていたが、あくる朝は一匹もその姿をとどめなかった。
「弁天さまのお告げに嘘はない。おそろしいことでござります」
善昌は再び信者たちに云い聞かせた。信者たちももう疑う余地はないので、善昌と相談の上で、七月の朔日から盂蘭盆の十五日まで半月の間、弁天堂で大護摩を焚くことになった。護摩料や燈明料は云うまでもなく、そのほかにもいろいろの奉納物が山のように積まれた。