Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 215.865 caratteri · 432 schermate
毎日陰ってはいるが、この頃すこしも雨がないので、溝の水もだんだんに乾いて、泥に埋められていた仏像が自然にその形をあらわしたのであろう。自分にもよく判らないが、これは寺の秘仏として大切に保管されているものであるらしい。なんでも遠い昔に異朝から渡来したもので、その胎内には更に小さい黄金仏が孕ませてあると云いつたえられている。自分は九つの年から寺に入って、足かけ五年のあいだに三度しか拝んだことはないが、これはどうもその仏像であるらしいと彼は説明した。
それほど大切の秘仏を住職がなぜむやみに持ち出したか、それが半七にも判らなかった。英俊にも判らなかった。
「しかしこれをみると、狐がお住持に化けていたなどというのは嘘です」と、英俊は云った。「わたしも最初から疑わしいと思っていましたが、もし狐ならばこういうものを持ち出す筈がありません。狐や狸は尊い仏を恐れる筈です」
それは如何にも仏弟子らしい解釈であった。半七は又それと違った解釈で、時光寺の住職の正体が狐でないことを確かめた。
「お住持は……お師匠さまは……」と、英俊は俄かに泣き出した。
「おい。どうした、どうした」