Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(二)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(二) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 215.865 caratteri · 432 schermate
英俊も出た。四人は雨のなかを滑りながら駈け出して、ばらばらとその旅籠屋の店さきへはいった。
駕籠の脇に立っている旅僧の一人は、英俊の顔をみて俄かにうろたえたらしく、あわててほかの僧を見かえる間に、松吉と亀八はもうそのうしろを取りまくように迫っていた。
「失礼でございますが、このお駕籠にはどなたがお乗りです」と、半七は丁寧に訊いた。
ふたりの僧は黙っていた。
「では、御免を蒙って、ちょっとのぞかせて頂きます」
再び丁寧にことわって、半七は桐油紙を着せてある駕籠の垂簾を少しまくりあげると、中には白い着物を着ている僧が乗っていた。英俊は泣き声をあげてその前にひざまずいた。
「お師匠さま」
僧は眼を動かすばかりで、口を利かなかった。彼はいつまでも無言であった。英俊は彼の袖にすがって再び呼んだ。
「お師匠さま」
無言の僧は時光寺の住職英善であった。かれが無言であるのは、声を出すことの出来ないような一種の薬を飲まされていたのであった。
「もうここまで来れば、あとは詳しく云うまでもありますまい」と、半七老人は云った。「ところで、なぜこんな事件が起ったかというと、この宗旨の本山の方に何か面倒な事件があって、こんにちの詞でいえば、本山擁護派と本山反対派の二派にわかれて暗闘を始めていたというわけなんです。