Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 215.744 caratteri · 434 schermate
お福という女も馬鹿じゃあねえと見えるな」
「そうでしょうね」
「そこで、その次郎吉という奴だが……。近所の評判はどうだ」
「褒められてもいねえが、悪くも云われねえ。まあ中途半端のところらしいようですね」
「中途半端じゃあ困るな。白雲堂にでもうらなって貰わねえじゃあ判らねえ」
半七は暫く思案していた。自分の膝の前に置いてある橙の「龍」の字が白雲堂の筆であるとすれば、けさ何者かが投げ込んで行った「武士の誓言」の一通も、同じ人の筆であるらしい。果たして同筆であれば、白雲堂はこの事件に係り合いがあるものと見做さなければならない。白雲堂の近所には次郎吉が住んでいる。その次郎吉の処へは菊園の乳母が通って来る。この三人のあいだには何かの糸が繋がっていて、菊園の子供のゆくえ不明事件が作り出されたのではあるまいか。他人の秘蔵っ子をかどわかして、その親をゆすって金を取るという手は往々ある。乳母のお福は正直者であると云っても、以前の亭主に未練がある以上、それにそそのかされて何かの手伝いをしないとも限らない。
それにしてもその玉太郎という子供をどこへ隠したか。裏店住居の次郎吉や、床店同様の白雲堂が、自分の家に隠しておくことはむずかしい。