Classici giapponesi con furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(五)
岡本 綺堂
Leggi 時代推理小説 半七捕物帳(五) (はんしちとりものちょう) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 215.744 caratteri · 434 schermate
もとより子供の手遊びに過ぎないもので、普通の太鼓よりも遙かに値が廉いので流行り出したのである。誘拐者はこの河豚太鼓を餌にして、七つの子供を釣り出したのであろうと、半七は想像した。
お福の亭主の次郎吉は風車売りになっていると云うから、あるいは河豚太鼓なども売っているかも知れない。自分が売らなくとも、それを売る大道商人などと懇意にしているかも知れない。そんなことを考えながら、半七は三河町の我が家へ帰った。帰るとすぐに、かの橙を袂から取り出して、けさの落とし文と照らし合わせてみると、龍の字はたしかに同筆であった。
「はは、馬鹿な奴め。自分で陥し穽を掘っていやあがる」
四
そのあくる朝は晴れていたが、二月とは思われないような寒い風が吹いた。
「どうも悪い陽気だ。この春は雨が降らねえからいけねえ」
そんなことを云いながら、半七は顔を洗っていると、菊園の番頭要助が早朝からたずねて来た。
「毎度お邪魔をいたして相済みませんが、実は親分さんのお耳に入れて置きたい事がございまして……」
「なにか又、出来しましたかえ」
「乳母のお福がゆうべから戻りません。日暮れから姿が見えなくなりまして、どこへ行ったか判りませんので……」