Classici giapponesi con furigana
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とけいやしきのひみつ
時計屋敷の秘密
海野 十三
Leggi 時計屋敷の秘密 (とけいやしきのひみつ) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 36.481 caratteri · 74 schermate
「ぼくも信じないよ、幽霊だのお化けだの、そんなものが今の世の中にいてたまるかい」
五井少年が、力んでいった。
「ぼくたち人間の科学知識は、まだ発達の途中にあるんだから、もっと先になって、幽霊やお化けがあるってことが証明される日が来るかもしれない」と四本君がとくいのむずかしいことをいい出した。「しかしだ、たとえ幽霊やお化けが今実在するにしてもだ、その幽霊やお化けは、かならずぼくらの習っている物象の原理にしたがうものでなくてはならない」
「四本君のいうことはむずかしくて、わからないや」
と、二宮少年が手をふった。
「いや、ぼくのいっていることはちっともむずかしくないよ。つまりここに一人の幽霊がまっすぐに立っているとなると、その幽霊は、やはり重力の作用を受けているにちがいないし、また空気の中に立っているんだから、幽霊の体積にひとしい空気の重さだけ幽霊のからだが軽くなっているはずだ。つまり浮力に関するアルキメデスの原理は、この幽霊にもあてはめられなくてはならない」
「おもしろいことをいうね、ははは」
音松は、腹をゆすって笑った。
「ちっともおもしろくないよ、幽霊の力学の話なんか、北岸のおじさんなんかの、行方不明事件のほうはどうするんだい」