Classici giapponesi con furigana
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こよみ
暦
壺井 栄
Leggi 暦 (こよみ) di 壺井 栄 (つぼいさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 56.332 caratteri · 112 schermate
そして、病気以来きゅうに短気になった神経をいらだたせて、その利かぬ左手をぱんぱん打ちなぐったりした。不随の片手は不貞腐ったように動かなかった。
「そう気を立てなっちゃ、もちっとのんきになれや」
重吉にそういわれるとなおのこと疳をたてて声をあげて泣いた。涙は片方の目からだけ流れた。
「よう働いた手じゃかいや、何人前働らきゃ、一生の働き分を働いてしもうたんじゃろ」
時には重吉にそう慰められていねの胸は和ぎ、不可抗な力に押されて坂を走る石ころのように、ただまっしぐらに走っていたのがふいに回転が止ったと思ったら河の中へ落ちこんでいたようなものだと、自分の不運を笑ったりもした。
そんな中で育った実枝ではあったが、肉親の思いやりを母親と二人で受けて、年寄り子とも思えないみずみずしさで人並に育っていった。くりくりした目、固く結んだ口元は負けぬ気を現しているようであり、きついほどのその目と口を補うかのように仰向いている短い、小さい鼻が顔全体を人なつっこい愛嬌あるものに見せていた。ゆるやかな丸い顔は何となく安心と信頼のこころを抱かせるように思え、祖母のかやはこの最後の孫に特別の愛情と希望をよせて、八十をすぎ、海老のように曲った腰の上になお実枝をのせた。