Classici giapponesi con furigana
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つきのせかいたんけんき
月世界探険記
海野 十三
Leggi 月世界探険記 (つきのせかいたんけんき) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 14.351 caratteri · 29 schermate
ああ……」
当分二人だけの心配にして置いたが、出発後三日目には、どうしても公表しないわけにはゆかなくなった。
この公表に対しては、一同は俄かに面を曇らせた。楽しい帰還の旅が、にわかに不安の旅に変ってしまった。
「一体どうすりゃいいんです。艇長に万事一任しますよ」
なんでも艇長の命令どおりにやるというのだった。そこで蜂谷はついに苦しい決心をしなければならなかった。
「皆さん。この上は誰か一人、この艇から下りて頂かねばなりません。それで公平のために抽籤をします。赤い印のある籤を引いた方は、貴い犠牲となって、この窓から飛び出して頂きます」一同は顔を見合わせた。
一本一本、運命の籤は引いてゆかれる。ミドリが最初の籤を引いて、白だった。次は兄の天津が引いてこれがまた白。その次に籤を引いたのが進少年だった。
「……あッ赤だ。僕が下りるに決った」
一同はハッとして少年の顔を見た。
佐々記者は遂に決心して、前に自分の生命を救ってくれた少年に、このたびは自分の命を捧げたいと申出たが、艇長ははじめの誓約をたてにして承知しなかった。悲惨なる光景だった。送る者の辛さは、去く者の悲しさに数倍した。