Classici giapponesi con furigana
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あさやけ
朝やけ
豊島 与志雄
Leggi 朝やけ (あさやけ) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.795 caratteri · 24 schermate
」
おれはそう言って、彼に酒をすすめ、喜久子にもすすめ、女流音楽家の一件をも酒の肴にした。もう小女も帰っていってるし、他に客もなかった。そして最後に、おれは次のように宣言するつもりだった。
「さあ、三人とも酔っ払った。だからもう、つまらない遠慮などはいるまい。今夜は、三人でいっしょに寝るんだ。僕と喜久子さんとは、もう肉体的に深い仲だ。それから中野君とマダムとは、互に好き合ってる仲だし、耳を舐めたり舐めさしたりしてる。僕と中野君とは、これは兄弟だ、愛情の同窓だ。さあ寝るんだ。喜久子さんを真中にして寝よう。中野君は耳をしゃぶれよ。僕は頸に噛みついてやる。喜久子さんがどうするかは、喜久子さんの自由に任せよう……。」
そんな気狂いじみたことを、おれは自暴自棄的に而も真面目に考えていたのだ。それがおれの決意だった。ところが、如何に酔っ払ったとは言え、いざとなると、その実行の困難さが分った。この屋上から飛び降りるのと、同じぐらい困難だ。たとい眼をつぶっても飛び降りるのだという自覚はどうすることも出来ない。たとい喜久子や中野が承知するとしても、おれの魂がそれに反撥する。