Classici giapponesi con furigana
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きのしたもくたろう『からくさひょうし』じょ
木下杢太郎『唐草表紙』序
Leggi 木下杢太郎『唐草表紙』序 (きのしたもくたろう『からくさひょうし』じょ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 3476 caratteri · 7 schermate
あなたの頭の働らきは全く科学的でありながら、其濃やかな点が、あなたの情緒の描写によく調和して、綿密によく行き渡っています。そうして不思議にもそれが普通のありふれた作物のように、くだくだしくならないのです。いくら微細な心的現象の解剖でも、又は外観からくる人間の精密な描写でも、決して干乾びていません。必ず委曲要領をつくすのみならず、其所にあなたの独得の一種の趣が漂っているのです。私の見る所によると其趣はあなたの観察が突飛に走らない程度で、場合々々に適当な新らしい刺戟を読者に与え得るからだろうと思います。「霊岸島の自殺」や「船室」の前半の如きは、その方面のいい作例と見て差支ないでしょう。ことに前者に於て、ある男とある女の性的関係の階級等差が、あれ程細かく書いてありながら、些とも卑猥な心持を起させずに、ただ精緻な観察其物として、他をぐいぐい引き付けて行く処などは、何うしても旨いと云わなければなりません。此小説は主人公が東京へ出てからの心の変化に、前半程緻密な且つ穏当な、芸術的描写が欠けているため、多少のむらがあると思いますが、世間でいう小説の意味から批判すると、或は圧巻の作かも知れません。