Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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こがらしのさかぐらから

木枯の酒倉から

坂口 安吾

Leggi 木枯の酒倉から (こがらしのさかぐらから) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.163 caratteri · 22 schermate

Aozora Bunko

一体こいつほんとに気狂いかしら、と無論僕はそう思いついたのですが、広い武蔵野の真ん中で紅々とただ二人照し出されてみますと、この怪物がばかに親密に見えるものですから、君、君、と僕は通りすぎるこの怪物を呼びとめました。ところがこの周章て者は僕の声などてんで耳に這入らないらしく尚も一散に弾となり地平線の向う側へ飛び去りそうに見えたものですから、僕も亦とっさにわあっというと一本の線になってこの男の跡を追いかけるような次第になったのですが――大根の四五本ぬき棄てられてある横っちょのあたりでやっとこの周章て者の腰のところへ武者振りつくと勢あまって二人諸共深々と黒い土肌へめり込んでしまったのです。顔の半ぺたを土にしてフウフウと息をつきながら夢からさめたもののようにポカンとしているこの周章て者に僕は又とぎれとぎれに詫を述べ、如何なる必然と偶然の力がかかる結果を招致するに至ったものであるかということを順を追うて説明いたしました。

――結局君はこの村に貸間又は貸家が存在するであろうかということを僕にききたかったんだね。

と、話してみれば物分りのいい男で、心臓の動悸がようやくに止ったらしく、こう(顔の半ぺたを土にして)反問するのです。