Classici giapponesi con furigana
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こかげのえん
木蔭の椽
宮本 百合子
Leggi 木蔭の椽 (こかげのえん) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 2182 caratteri · 5 schermate
同時に、私は初めてほんとの鶯を聴いたような新鮮な歓びを感じた。――和歌や俳句の夥しい駄作で、こうも陳腐化されなかった太古の。――
今、若葉照りの彼方から聞えて来るその声は、私に、八月頃深い山路で耳にする藪鶯の響を思い出させた。板谷峠の奥に、大きい谿川が流れて居る。飛沫をあげて水の流れ下る巖角に裾をまくった父が悠々此方を向いて跼んで居る。風で、彼方の崖の樹が戦ぐ。その時、川瀬の音を縫い乍ら、静かに聞えた藪鶯のホーホケキョ。――午後が、ひどくひっそりと永く感じられた。