Classici giapponesi con furigana
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みぼうじん
未亡人
豊島 与志雄
Leggi 未亡人 (みぼうじん) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.474 caratteri · 21 schermate
――猫でさえも。
そうです、猫でさえもそんなことをしてるのだから、人間がしていけないということはありますまい。家の中の用は女中や書生がしてくれるし、あなたは何にもしなくても構やしません。働かざる者は食うべからずと、そんな野暮なことを私は言いはしません。だが、日向の縁側や炬燵の上でうとうとしてる猫の居眠りは、あなたのそれよりは、少くとも純粋です。その時々の食物で腹を満たしさえすれば、或る程度の温気のなかに、ただ単純に居眠っているのです。だがあなたは、はっと気を取り直しては、秋山さんへ電話してみようか、どうしようかと、心の中でやきもきしていたではありませんか。
――猫に小判……。
そんな諺は、猫の無智を軽蔑することにはならず、却ってそれを羨むことになるのです。秋山さんから果して五十万の現金が来るかどうか、あなたは待ちこがれて、猫を邪険に取扱ったことさえありましたね。
五十万円といえば、可なりの金額であることを私も知っています。それが、あなたの属してる保守党では、代議士の選挙費用などに雑作なく使い果されてしまいますね。金があったからこそ当選した代議士が、如何に多いことでしょう。