Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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みきかんのともに

未帰還の友に

太宰 治

Leggi 未帰還の友に (みきかんのともに) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.241 caratteri · 21 schermate

Aozora Bunko

僕は今でもそうだが、こんな時には、お祭りに連れて行かれず、家にひとり残された子供みたいな、天をうらみ、地をのろうような、どうにもかなわない淋しさに襲われるのだ。わが身の不幸、などという大袈裟な芝居がかった言葉を、冗談でなく思い浮べたりするのである。しかし、君は平気で、

「まいりましょう。」と言う。

僕は君に軍刀を手渡し、

「どうもこの紐は趣味が悪いね。」と言った。軍刀の紫の袋には、真赤な太い人絹の紐がぐるぐる巻きつけられ、そうして、その紐の端には御ていねいに大きい総などが附けられてある。

「先生には、まだ色気があるんですね。恥かしかったですか?」

「すこし、恥かしかった。」

「そんなに見栄坊では、兵隊になれませんよ。」

僕たちは駅から出て上野公園に向った。

「兵隊だって見栄坊さ。趣味のきわめて悪い見栄坊さ。」

帝国主義の侵略とか何とかいう理由からでなくとも、僕は本能的に、或いは肉体的に兵隊がきらいであった。或る友人から「服役中は留守宅の世話云々」という手紙をもらい、その「服役」という言葉が、懲役にでも服しているような陰惨な感じがして、これは「服務中」の間違いではなかろうかと思って、ひとに尋ねてみたが、やはりそれは「服役」