Classici giapponesi con furigana
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ザボンのはなのさくころ
杉田久女随筆集
杉田 久女
Leggi 杉田久女随筆集 (ザボンのはなのさくころ) di 杉田 久女 (すぎたひさじょ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.008 caratteri · 31 schermate
台湾では文旦という形の尖ったうちむらさきや普通の丸いざぼんや、ぽんかん、すいかん(ネーブル)等を籠に入れて毎日の様土人が売りにきた。
ぽんかんの出盛りの頃になると百も二百も買って石油鑵に入れておいては食べ放題たべた。お芋だのお菓子の嫌いだった私は、非常に果物ずきで、蜜柑畠には入って、枝のぽんかんをもいでは食べ食べした事や、唐黍をかじり、香りの高い鳳梨をむいたり、びろどの様な朱欒の皮をむきすてて平らげたり、八九段もついているバナナの房を軒に吊しておく楽しみなど、すべて香気のつよいしたたる様な熱帯地方の果物のうまさを思い出すと今でもよだれが出る様で、実際よくもあんなにたべられたものと思うくらい。お正月など、お雑煮も御飯もたべず私は顔の色がきいろくなるほど蜜柑ばかりよくたべたものである。又朱欒や仏手柑を思い出すと、私達の帯や布団や袴にまでザザクサによく使用された支那ドンスの緋や空色、樺桃色などの幅広い反物が色どりよくつみ上げられていた土人の呉服店の事や、まつりかの花をほしまぜたウーロン茶のむしろや、小さい刺繍靴などを断片的に思い起すのである。
其頃母からおちごという牛若丸のような髷にいつも結ってもらって友禅の被布をきておとぎ文庫の因幡の白兎や、松山鏡を読みふけり乍ら盆の蜜柑をしきりに飽食する少女だった私は、