Classici giapponesi con furigana
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とうおういぶん
東奥異聞
佐々木 喜善
Leggi 東奥異聞 (とうおういぶん) di 佐々木 喜善 (ささききよし) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 63.862 caratteri · 124 schermate
昔、ある山寺に花若という若衆がありました。その若衆が、和尚さまから勘当をさせられることがあって、寺を出るとき、和尚は夜になったらかならず戸の口一つに一本柱の家に宿かれよといわれました。その夜、花若は山中の草舎に辿り着き、和尚のいったような所に宿づきましたが、その草舎には老婆が一人おります。
これは年経た古蝦蟇の化けたのでありました。その古蝦蟇の老婆は、花若の身の上話を聞いて、谷下の郷の長者の家に、竈の火焚き男として住みこませました。
その長者には娘が三人ありました。その娘らが、秋祭りに笛を吹いて通る美しい若衆を見て、いちように深く思いこがれる身となりました。その若衆というのが花若でありました。花若は主人から娘の婿になってくれといわれましたけれども、三人のうちいずれの娘を娶ってよいかわかりませぬ。そこでやむなくあの谷の蝦蟇の老婆のもとへいって聞きますと、老婆は花若に三つの試し事を教え、三人のうちそれを首尾よく成し遂げた娘を娶れと言いました。
三つの試し事とは、第一には一束の麻を苧んで紡いで機に織って、一すじの縞の帯を作ったもの、第二には畳の上にいちめんに引き伸ばした真綿の上を新草履で、わたってすこしも足に綿を絡み着けぬもの、第三にはスズメのとまった木の小枝をそのまま折ってきて、男の手に持たせてくれたもの