Classici giapponesi con furigana
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かきのきのあるいえ
柿の木のある家
壺井 栄
Leggi 柿の木のある家 (かきのきのあるいえ) di 壺井 栄 (つぼいさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 15.460 caratteri · 32 schermate
」
フミエが家の中へ走りこみました。
柿の木は、こういう風景を、にこにこ笑いながら見おろしているようです。柿の木にとっては、この下でかわされる子供たちの話や、歌声や、ときどきはむずかって泣きやまぬ赤ん坊の泣声や、道ばたまでとどく、長い繩でつながれた山羊が、草をたべている姿など、毎日見ても、見あきない風景でありましょう。そして、あまりの面白さに、人間にはわからぬ柿の木の声で、はっ、はっと笑い出すと、そのはずみに柿の葉が散るのかもしれません。さやさやと、かすかな音がしたと思うと、赤くもみじした柿の葉が二三枚、はらりと散ってきました。まだみんな青いのに、その葉はすっかり色づいています。赤や、青や、黄や、いろんな色がまじっている、美しい柿のもみじです。洋一は柿の木を見あげ、それから赤ん坊たちの方へ、からだごとうなずきかけながら、
「柿の実は、なぜ、あーかい。」
とあやしました。フミエにお乳をもらって、まんぷくの赤ん坊はごきげんで、からだじゅうをゆさぶってよろこびます。
「あかいから、あーかい。」
フミエがそれに答えると、また、きゃっ、きゃっと笑いました。柿の葉はまた二三枚、ちらちらと舞いおりてきました。