Classici giapponesi con furigana
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かきのたね
柿の種
寺田 寅彦
Leggi 柿の種 (かきのたね) di 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 70.202 caratteri · 139 schermate
試みにその中のただ一つを掘り出してこの世の空気にさらすと、たちまちに色も光も消え褪せた一片の土塊に変わってしまった。
同時に、霊山の岩の中に秘められたすべての宝石も、そのことごとくが皆ただの土塊に変わってしまった。
私の頭の中には、数限りもない美しい絵が秘蔵されていた。
私は試みに絵筆を取って、その中の一つを画布の上に写してみた。
……気のついた時はもう間に合わなかった。
……同時に頭の中のすべての美しい絵もみんな無残に塗り汚されてしまった。
そうして私はただのつまらない一画工になってしまった。(大正九年十月、渋柿)
*
ロンドンの動物園へインドから一匹の傘蛇が届いた。
蛇には壁蝨が一面に取りついていた。
健全な蛇にはこの虫があまりつかないものである。
こんなことが先ごろの週刊タイムスに出ていた。
「この事実にはいろいろのモラールがある」
とAが言った。
「さらに多くの詩がある」
とBが答えた。(大正九年十月、渋柿)
*
夜ふけの汽車で、一人の紳士が夕刊を見ていた。
その夕刊の紙面に、犬のあくびをしている写真が、懸賞写真の第一等として掲げてあった。