Classici giapponesi con furigana
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えいぞうのし
栄蔵の死
宮本 百合子
Leggi 栄蔵の死 (えいぞうのし) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 38.295 caratteri · 77 schermate
一升徳利に二升入らない通りに、栄蔵の心は、これ以上の心配を盛り切れない状態にあった。
お君を迎えに田舎に行った時に会った栄蔵と今の栄蔵とは、まるで別人の様に、恭二の眼にうつった。
急にすっかりふけてしまって居る。
前にもまして陰気に、影がうすく、貧しげである。
あれから、半年ばかりの間に、どれほどの苦労をしたのかしらんと、恭二は、ぼんやりと、無邪気な、子供が鳥の飛ぶのを驚く様な驚きを持って居た。
隣の間の夫婦は、こっちに声のもれないほどの低い声で、何やら話し会って居るらしい。折々、
「フフフフフ
とか、「いやだねえ」
などと云うお金の声が押しつぶされた様に響いて来た。十二時過まで、何かと喋って居た三人は、足らぬ勝の布団を引っぱり合って寝についた。
恭二が、じきに、フー、フーといびきをかき始めると、急に、夜の更けたのが知れる様に、妙にあたりがシインとなって仕舞った。
部屋の工合が違うので、ゴロゴロ寝返りを打ちながらうかうかとさそわれ気味で、出て来は来ても、これからたのみに行って、金策をしてもらうべき人達を、今になって、あたふたとさがさなければならなかった。