Classici giapponesi con furigana
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くりのはなのさくころ
栗の花の咲くころ
佐左木 俊郎
Leggi 栗の花の咲くころ (くりのはなのさくころ) di 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 6440 caratteri · 14 schermate
嘉三郎は厳粛な調子で言って、固く唇を結んだ。
「着物をね? 忠太郎と一緒なら、行かねえで、構わねえで置いたらいいじゃねえかね。美津が好きで一緒になっているものなら。」
「投げて置けるか? 早く着物を出せ! 畜生共め!」
「好きで一緒になって、どうやら暮らしているのなら、構わねえで置けばいいものを……」
松代はそう独り言のように呟きながら着物を出して来た。
「暮らしがつかねえでるのだ。忠太は何も仕事がねえのに、美津は美津で、病気をして寝てるってんだ。畜生共め!いっそのこと死んでしめえばいいんだ。俺の顔さ泥を塗りやがって。」
嘉三郎はそう言ってもう一度そこへ坐った。
「そんなに困ってるどこさ、空手で行ったって、仕方があんめえがね。金を都合して行くとか……」
「なんで金など?」
嘉三郎は追い被せるように言って、またぐっと口を噤んだ。再び重い沈黙が割り込んで来た。そして嘉三郎は暫くしてから、松代をぐっと睨みつけるようにして言った。
「松! 兼元を出して来う。刀をさ。」
「刀をね? 刀なんか何するんだね? お父さんは!」
「畜生どもめ! 叩き切ってやる。先祖の面を汚しやがって。