Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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こうせいのはなし

校正の話

中谷 宇吉郎

Leggi 校正の話 (こうせいのはなし) di 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 2488 caratteri · 6 schermate

Aozora Bunko

そうすると、字面が綺麗になるわけである。この分の組換えは、出版社が負担してくれるようである。

アメリカの校正は、以上の如く、終始一貫甚だ合理的で、すべて計算の上に立っている。著者と出版社との間には、人情味などはあまり無いようである。しかしこの非人情のお蔭で、校正は二回ですみ、印刷の能率は大いに上がる。したがって印刷工の労銀も、高くなるわけである。

印刷の能率が上がることは、非常によいことで、日本も、こういうふうにしたら、と一寸考えてみたこともある。しかしそれは当分不可能のことと気がついた。これを実行するには、日本における学者尊重の善風をこわす必要があるからである。著者が書いたとおりに、職工が活字を忠実に拾う。しかし出来上がった初校を、著者は平気で直して、別に意に介しない。それは学者の精神労働が、植字工の肉体労働に比して、甚だ高尚なものと考えられているからである。

アメリカふうの校正は、最後のところは、著者の精神労働と、植字工の肉体労働とを、同列に見るというところに、その基盤がありそうである。そうだとすると、日本の場合には、このやり方は、参考になるというくらいのところであろう。