Classici giapponesi con furigana
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うめづしえんおうでん
梅津只円翁伝
杉山 萠円
Leggi 梅津只円翁伝 (うめづしえんおうでん) di 杉山 萠円 (すぎやまほうえん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 65.582 caratteri · 130 schermate
の呼吸がわかった。同時に「潮衣――オ――」という引節に含まれた波打際の妙趣がわかったので、感激しながら帰途に就いたという。
前記の通り事の真偽は知らないが、斯様な話が世に伝えられているところを見ると、この当時の翁の苦心が多少に拘らず世に伝えられていた証左としてここに附記しておく。
これより前、弘化三年三月、父正武氏の退隠により利春氏が家督を相続した。時に利春三十歳。翌弘化四年、三十一歳の時に父を喪った。
父を喪った後の利春は藩内の能楽に関する重責を一身に負い、その晩年に窺われた非凡の気魄、必死の丹精と同様……もしくはそれ以上の精彩を凝らして斯道の研鑽に努力した事が察しられる。その手記には「その後、御能、囃子等度々相勤むる」と極めて謙遜した簡短な文辞が挟んで在るだけであるが……。
嘉永五年の三月に利春は、中庄の私宅舞台(福岡市薬院)に於て相伝の神曲「翁」の披露能を催した。相伝後正に二十年目に初めて披露をした訳である。翁一流の慎重な謙遜振りがこの時にも現われている。
これは晩年の翁の気象から推察して、相伝後、自分が満足するまで練りに練り、稽古に稽古を重ねた結果と思われるが、更に今一歩深く翁の性格から推し考えてみると、翁は決して自分一人を鞭撻していたのではあるまいと思われる。