Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ばいしのつえ
梅颸の杖
吉川 英治
Leggi 梅颸の杖 (ばいしのつえ) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.966 caratteri · 32 schermate
、第4水準2-92-36)は、あとの総てのことばを、わが子以外の人々へ如才なく酬いた。
茶をのんで、やがて帰る人があった。後日を約して、あらかたの人も去った。
今夜は、大坂の八百長に宿の支度がしてあるからという、篠崎小竹の好意に甘えて、近親のもの五六名だけが駕へ移ろうと支度をしていた時である。ふたりの男を連れた、同心ていの役人が、大股に歩いて来て、
『そこに居られるのは、頼先生の御母堂ではありませんか』
と、声をかけた。
『左様です』
と、門人の後藤松蔭が立って、
『何か御用ですか』
『てまえは、御母堂の乗っておられた便船へ、室津から同乗した者ですが、何ぞ御紛失物はありませぬか。御懐中のものでも』
松蔭の眼が、山陽を顧みた。
『母上、同乗して来たお方が、あの様に申して下さいますが、船中で変ったことでもあったのでございますか』
梅※(「風にょう+思」、第4水準2-92-36)は、べつだんな顔もせずに、
『いいえ、何ごとも』
『路銀などはございますか』
『失くしておりませぬ』
それを聞くと、同心ていの男は、山陽の方へていねいに会釈をしながら、
『いや、それならば結構でした。